この夏、特別支援教育の研修に参加した。
その中で、講師の先生がおっしゃった言葉が、ずっと頭に残っている。
「ワークシートじゃだめですか。ノートに書かせないといけないのか、もう一度考えてほしい。」
なるほどなあ、と思った。
僕の中でも、社会科にはずっと「めっちゃ書く教科」というイメージがある。黒板を写す。教科書から大事なところを抜き出す。資料を見て、自分の考えを書く。
もちろん書くことは大切だ。でも、書くことに時間を使いすぎて、肝心の「考える」「話す」が少なくなっていないだろうか。研修を受けてから、そんなことを考えるようになった。
まずは「歴史っておもしろい」にしたい
2学期は歴史から始まる。
僕としては、まず「歴史って楽しいな」と思ってほしい。もっと言えば、「歴史って、めっちゃドラマやん」と感じてほしい。
そこで、今回のワークシートには自分なりにいくつか条件をつけた。
机の上に置くものはなるべく少なくする。まずは教科書一冊あれば進められる。もっと知りたくなったら資料集を開いたり、iPadで調べたりすればいい。
書く量もなるべく減らす。その分、友達と話したり、自分で考えたりする時間を増やしたい。
そして、どうせ作るなら、ちょっと今までにないものにしてみたかった。イラストが入っていて、少し漫画みたいで、配った瞬間に子どもが「何これ?」と思うようなもの。
そんなの、あまり見たことがない。
じゃあ、作ってみよう。
AIなら、もっと簡単にできると思っていた
そこでAIを使ってみることにした。
正直、最初はもっと簡単にできると思っていた。「こんな感じのワークシートを作って」と伝えれば、かなりいいものがパッと出てくる。そんなイメージだった。
ところが、やってみると全然違う。
「あっ、いい感じやん」と思った次の瞬間、「いや、ここ違うな」となる。直してもらったら、今度は別のところがおかしくなる。また指示する。戻す。もう一回作る。
途中から、ちょっと運ゲーみたいになってきた。
ただ、やっているうちに分かってきたこともある。AIに任せればいいのではなく、こちらが授業をかなり具体的に考えていないと、欲しいものには近づかない。
「書く量はこれぐらい」
「ここは教科書を見ればできるように」
「ここでは友達と話したい」
「この言葉は絶対残したい」
そんなことを一つずつ伝えていく。
気がつけば、一枚のワークシートに6時間ぐらい向き合っていた。

普通に作った方が、たぶん早い
これは間違いないと思う。
教科書を見ながらWordなどで普通にプリントを作った方が早い。ノート中心の授業なら、もっと早い。
「AIで時短!」という話とは、今回はかなり離れている。
でも、不思議と嫌ではなかった。
イラストが入った、漫画みたいな社会のワークシートを一度作ってみたかったし、「これ、子どもたちどんな反応するんやろ」と考えながら作るのが普通に楽しかった。
しかも、ワークシートを作っていくうちに授業の流れも整理されてきた。その内容を使って復習用のKahootまで作ることができた。
これは思っていなかった副産物だった。
結局、教師がワクワクしているか
今回やってみて思ったのは、「AIを使えば授業準備が一瞬で終わる」というほど単純ではないということ。
少なくとも今回は、むしろ時間がかかった。
それでも、やってみてよかったと思っている。
たぶん僕は、効率だけで授業を作っているわけではないんだと思う。「こんなんできたらおもしろそうやな」と思うと、一回やってみたくなる。
そして、やっぱり僕は、
まず自分が楽しむ。
ここから授業を考えるのが好きなんだと思う。
6時間かけたワークシートが、本当に子どもたちにとって使いやすいのか。それは、まだ分からない。僕が勝手に満足して終わる可能性だってある。
だから、2学期に実際に使ってみる。
子どもたちがどんな顔をするのか。書く量を減らしたことで、本当に考えたり話したりする時間が増えるのか。
そこまで見て、また直せばいい。
現場は、まだまだ実験中だ。

せっかく6時間も向き合ったので(笑)、今回つくったワークシートも置いておきます。
「こんな感じのものを作ったんやな」と見てもらうだけでもいいですし、使えそうなら授業づくりの参考にしてください。
まだ実際の授業で使う前なので、完成品というより「実験中の教材」です。
使ってみて、子どもたちの反応を見ながら、また直していくつもりです。
武士の政治 ワークシート

こんなワークシートができました。
全部で5枚あります。
ただ、作って終わりではありません。
どういう場面で、どう使おうと思っているのか。そこも含めて、ワークシートについては別の記事で紹介しようと思います。


